第69回 消えていく小売商

もうすっかり春の陽気となった三月四日(日)南千住メトロ南口に50余名の人達が集まってコツ通り商店街を北へ向かい、千住大橋を越えて橋戸・河原町・掃部宿・千住1~5丁目まで歩きました。昔の医療に関わった箇所を見学して往時の医療を話し合い、日常生活に思いをはせ、心地良い有意義な3時間余を過ごしました。

今、ふるさと文化館では2月10日~3月11日まで「杉田玄白と小塚原の仕置場」と題する企画展を開催しています。ぜひ、地元の方々には文化館へ足を運んでこのすばらしい企画展示を見ていただき、自分の住んでいる土地の性格などを理解してより深い愛情をかけて毎日の生活を営んでいただければと思っています。

江戸時代超有名な「小児治生丸」という乳幼児の薬(今でいう宇津救命丸?)を全国的に製造販売していたコツ通りの飯塚薬局さん(現在も薬局を経営、製薬はしておりません)を見学し、昔のコツ通りの中心で一番にぎわっていた頃をしのびました。

コツ通りは、2月に入ってから西口駅前の「立ち退き」が始まり、現在はほとんど転居してしまいました。ゴーストタウンとなってしまい、朝晩は人通りが途絶え駅前と思えない寂しさです。南北650mの両側と駅前の三角地帯を合わせて127軒の小売商が並んで商売をして来ましたが、この区画整理事業で78軒へと店舗数が減少してしまいました。もう小さな商店は、経営が成り立たないほどの流通の変化です。 区のアンケート商業調査では消費者の8割は小売商の存続を希望しており昔のような街並みにしていきたいと思っているようです。

しかし、現実の日常の買い物はほとんどスーパーへ行ってしまう状態です。値段の安さ・品物の豊かさ・便利さ・売人と口をきくことがない良さ等色々とあるようです。小売商は全て真似ができません。通りの明かりが一つまた一つと消えて行ってます。金を使って線香花火のようなイベントを忘れた頃にやっても何の効果もありません。

どうしたら良いか真剣に考えています。

「継続は力なり」毎日毎日少しずつ努力してます。

2007年3月13日

すまいるたうん28号