第109回 コツに黒船がやってきた

平成22年の春にJR南千住駅西口に29階建てのアクレスティ南千住ビルが完成し駅の東側(汐入口)と西側(コツ通り口)での人の流れが大きく変化してきました。完成ビルには従来の商業地権者が営業を再開するものと周囲では思っておりましたが、ほとんどの店が貸店舗になり、借り手は大資本のチェーン店ばかりとなりました。周辺の小売り店は廃業の瀬戸際までに追い込まれて来ています。 嘉永6年(1853)アメリカ海軍東インド艦隊司令長官ペリーが軍艦4隻を率いて浦賀へ入港し開国を迫り、日本の国中が大騒ぎとなり、鎖国政策をとっていた徳川幕府の幕藩体制が大きく変化していった時代と似ていると思いました。

当時の大老井伊直弼が安政の大獄(1858~1859)を起こして多くの反対派の人々の処罰を断行し、その時に処刑された吉田松陰・橋本左内・梅田雲浜・頼三樹三郎やその後の水戸浪士により起された「桜田門外の変」に関わった人々の墓石が、JR南千住駅前の回向院内にあります。歴史が好きな方は、是非いらして下さい。私に声を掛けてくだされば、いつでもご案内致しますので、どうぞお気軽に連絡して下さい。携帯090ー4203ー6566です。ごめんなさい。話が逸れまして。

10月6日(水)に素蓋雄神社(天王さま)の斜前に超大型店舗のスーパーライフが開店し、入場制限する位に大勢の買い物客が集まり大混雑となり、大変な騒ぎであったと聞いています。その日の周辺商店街を見て回った人の話では、ガランとして客足がバッタリとなってしまったそうです。それに伴い近くのスーパーバリュー・オリンピック・イトーヨーカドー等も暇であったそうです。

我が家は大衆食堂を営んでおりますが、以前の3分の1の売上に低下してしまいました。こんな安売りの時代となり、経営が成り立ちません。松屋は250円・やよい軒が350円・日高屋は390円・ローソンショップでは5~6種類の100円弁当が置いてあります。これで充分お腹が一杯になります。当店は345円ですが、今のような店の作りではなく取扱いの方法等々大型店の真似は出来ません。小売商はここ数年で業種の変更が進んで行くと思います。真っ先に、借り店で人を使っている店が、一番痛手を受け廃業してしまいます。

コツ通りも今、アーケードを撤去して電線地中化(東京都の事業)を進め新しい町並み作りをする計画を立ててますが、多額の金「アーケード撤去費用だけで3500万円」が掛かります。その他に町並みの景観作り・街路灯・街路樹・歩道ベンチ等々、その他コツ通り中央を横切る331号線道路等問題等々が山積ですが、江戸時代のコツ通りの人々も鎖国の幕藩体制から世界に開かれた開国の明治政府へとの切替には大きな苦労を我々の祖先達もやってきてますのですから、頑張って明るく考えいい町作りをして良い商店街を作っていきたいと全員が努力しております。今後ともよろしく我が町を愛して下さい。

すまいるたうん第157号

平成22年10月13日