第137回 いやしのスポット

2月3日、南千住素盞雄神社の境内で節分祭の豆まき行事が、3時・3時30分・4時・4時30分と4回行われました。

天気も良く大勢の子ども達や大人が集まり、例年を上回る賑わいを見せていました。参列の氏子の皆さんが、お菓子やラーメンやおもちゃなど色々、人に当っても危険のない、子ども達の喜びそうな品々をそれぞれ選び、神社の神前でお祓いをしたいり豆(大豆)と一緒に撒きました。

その後、直会神事があり、神酒をいただく宴が行われて解散となりました。

一般の家庭では神棚があれば、神棚に豆を供えてから豆まきをします。

以前、南千住では家々の戸口に邪気を払うといわれている「焼嗅がし」といわれる

イワシの頭を柊(常緑樹木で葉の縁に鋭いトゲがある」の枝に刺して、それを戸口に掲げていました。

イワシの頭は焼いて刺す家と生のままで刺す家とがありました。イワシのニオイで邪気を、柊のトゲで鬼の目を刺して追い払うとのいわれで行われた行事です。春が始まると言われている立春の前日に行われる行事で、宮中行事として平安時代から行われていました。この悪い物事を追い払う邪気祓いの儀式が一般に広まったと言われています。

しかし、現在はほとんど見かけることがなくなりました。夜になると家々から聞こえてきた豆まきの「鬼は外、福は内」の声が聞こえなくなりました。

時代が進み、科学的文化が進むにつれ、古い日本の文化や風習が無くなっていくことは淋しい限りです。日本古来の神や外国から入ってきた仏の奥深い豊かな意義を感じとり、末永く続けて行きたい風習や行事を大切にしたいと思います。

3月に入ると、すぐ雛祭りです。天王様には何百体ものお雛様が飾られ、それはそれは見事なものです。ぜひ皆様、見に行って下さい。境内には桃の木がたくさんあり、3月下旬には綺麗な色とりどりの桃の花が咲き乱れ、美しい桃の国へ来た気分になります。

宗教ウンヌンに関わらず、心をいやすスポットとして、素盞雄神社に足をお運び下さい。境内に備えてある床几(腰掛)に腰を落とし、心静かに時を過ごしてくださることを願います。忙しい合間のひととき、精神の安らぎと落ち着きを得られます。古きものを大切にしながら新しきものを模索していきたいです。

このところ連日、外国の若者達が北千住・南千住・日暮里・谷中に訪れています。日本の文化の吸収に来ているようです。ガイドをしていて、その熱心さに驚きます。 日本の若者も外国に手軽に行ける時代です。どんどん外へ出かけて日本の素晴らしさをPRして、また外国の良さを持ち帰ってもらいたいです。

それには、ご自分の住み生活している町から始めて日本の長い歴史を理解してください。

すまいるたうん第241号平成25年2月14日