釈然としないイライラの数々

編集委員(元したまち支局長)
植木幹雄
前回、東京大空襲を始め日本全土を焼きつくした米国戦略空軍カーチス・ルメイ将軍に、日本が勲一等旭日大綬章を贈っている事実に触れましたが、補足すると、各種本には「昭和天皇は不快感を示したが、旧軍出身の国会議員らが強く主張した」とあります。ちなみに、この国会議員は米国から勲章をもらっています。悲しいですね。
さて、今回はこれとは関係なく、日常生活の釈然としない個人的体験です。
今、わが家を建てたある大手住宅メーカーと紛争状態にある。そろそろ地球温暖化対策に貢献しようかと、太陽光発電の導入を考え、この住宅メーカーも含めた数社に見積もりを頼んだ。
この住宅メーカーの営業マン、勉強不足なのか意図的なのか「雨漏り保証、自然災害の保証がついているのは弊社が推すA社のみ、B社も扱っているが保証の対象にはなりません」「年度内に契約しないと新年度からは、補助金額も、余剰電力の買い取り額も減ります」。もっとも、後者はすべての業者が指摘していたのを付け加えます。
日中は仕事で動けないため、B社や政府の関係機関に、夜、個人メールで質問したところ、前述の話は多くがでたらめ。雨漏り保証は取り付け業者ごとに異なりますが、B社は自然災害保証もついていた。補助金もその段階では新年度は未定だが、変更はない予定との回答。(事実三月末、大きな変更なしの政府発表。)
しかも、次回に契約書を持ってきて「早くサインを」。説明は違っているし、A社、B社の保証内容を示す書類も見せず、今度は家の保証書を楯に、他の業者を使ったら家の保証そのものもなくなるような説明。価格も見積もりでは一番高い。この営業マン曰く「たかが四十万くらいの差で」・・。もう切れました。
それで、家の保証書をじっくり読むと矛盾だらけ。指定業者以外のテレビアンテナ工事は保証の対象外になる可能性があるが、壁に穴を空けるエアコン工事は対象外項目に入っていないなど、でるわでるわ。質問状への回答は、余計矛盾をあぶり出すだけ。
二つ目。息子が山梨の大学に入学した際、その地域には、何とテレビ電波が届かない。仕方がなく、有料の有線テレビと契約したら、とたんに某テレビ局が「受信料を払え」。この某局の努力で電波が来るようになったなら、払う義務はある。が、このテレビ局は何の努力もしていない。法律を楯に取るだけ。抗議したら何もいわなくなった。息子もテレビを箱にしまい、以来そのまま。
三つ目。使っていたインターネット接続会社の契約を解除しようとしたが、ホームページ(HP)では、どこを探しても加入申し込みのページはあっても、解除のページも、問い合わせ電話番号もない。やむなく、全国の企業一覧の本で親会社の番号を調べて問い合わせた。そのときには次の月に入ってしまい「数日経過していますので、一カ月分の料金をいただきます」。徹底して抗議し、日割り計算を認めさせるのに二週間以上かかった。
四つ目。編集委員になって外に出る機会が増えたため、小型ノートパソコンで外からインターネットをしようと、HPで安い通信業者を見つけ、申し込みに行ったら話が違う。「料金が、御社のHPに書いてある」と指摘したら、担当者は「本当ですか、見ていないんで」・・(おいおい勘弁してよ)。「確かに書いてありますね」と首をひねり、あちこち見ていると、別なページに安くなる条件が出ていた。ため息しか出ない。
五つ目。家電やパソコンの調子が悪くサポートセンターに電話すると「混み合っているから待つか、後で電話しろ」と言う。何度電話しても同じアナウンス。これじゃ永久につながらない。会社が悪いのに、怒鳴られるサポート担当がかわいそう。
ここに登場したのは、大手企業ばかり。まだまともな方なのだろう。日本人は疑うという概念が希薄という。悪質な訪問販売、リフォーム詐欺。庶民の懐を狙う犯罪も多い。しかも、大手と紛らわしい会社名を名乗るところも少なくない。相手は、プロ。何となく納得させてしまうテクニックには長けている。こちらはかなわない。初めて聞いた話、少しでも疑問を感じた話は、その場で決めず、営業マンが帰った後、区や都などの消費生活センターにまずは電話。少しは被害が防げます。その場で強行に契約を迫られたら「知り合いに新聞記者がいるから聞いてみる」とでも、取りあえず答えてください。ええ、私のことです。