私事ばかりですが 編集委員(元したまち支局長)
植木幹雄
書き出しからいきなりですが、九月一日付で、編集委員のまま「ゆめぽっけ」のセクションに移りました。責任者といえば聞こえはいいのでしょうが、内容的にはデスクのようなものです。編集委員室のコラムや、企画はこれまで通りです。
木曜朝刊一ページ、金曜朝刊二ページ、土曜夕刊一ページの計四ページの原稿すべてに目を通し、自分でもグルメ取り寄せ便を含め毎週四本の原稿も書いています。グルメは、記事の最後に名前の頭文字を入れるのですが、植木の(U)も、幹雄の(M)もすでに使われており、植木が東北弁でなまったような(W)を使っています。
ここに届く情報は半端じゃありません。毎日数センチ分のファクス。油断すると、机の上が埋まるほどの郵便物が届きます。すべて私が目を通しますが、「この四ページは読まれているんだな」と実感しています。例えば、グルメ便は東京では買えない全国の名産品が対象で、東京新聞の発行エリア外のお店の品も扱いますが「注文が殺到して在庫が尽きた。女性雑誌にも出たけど、こんなこと無かった。東京新聞はすごいね」。しばしばこんなお礼の手紙が届きます。これは多分に外交辞令含みと理解していますが、うれしい限りです。
さて新職場の話はこのくらいにして、しばらく硬い話が多かったので今回は趣味の話でもしましょうか。
みなさんはどんな趣味をお持ちですか。「将棋」?。いいですね頭を使うのでぼけないといわれてますね。「カラオケ」。これも大きな声を出すので、ストレス発散にはうってつけ。「散歩」。これは最高ですね。体にいいだけでなく、普段気づかないことを目にしたり家族、ご夫婦仲良くおしゃべりしながら、家族の和もはかれます。
さて小生。人に聞かれると「いやあ、不調法で」と、取りあえず頭をかきます。
本当は多趣味なのですが、会社員の趣味?に多い酒はまるっきしだし、ギャンブルやゴルフ、悪い遊び?にも全く興味なし。
多趣味というのは、中学生時代からの電気製品の分解組み立てから始まって読書、映画、音楽、浪曲、落語、ランプの収集、燻製、キャンプ、洞窟探検(大学サークルもこれ)、写真、米国の古いがらくた(ブリキのポスターなど)集め、日曜大工、パソコンいじり、ときりがありません。
なかでも、最近こっているのが古書集めと家庭菜園・果樹園。
古書は、編集委員になってから「あの人がいた街」を担当するようになり、毎回、登場人物に関する書物を読みあさっていますが、所詮は筆者が原典をまとめたもので、新聞記事では筆者から許可を取っても引用にしかならず、書いていて欲求不満がつのります。今は小遣いを貯め込んで明治、大正、昭和初期の歴史証言集や日記、記録を少しずつ買っていますが、万を超える本が多く、古書店で思案投げ首です。
もう一つの家庭菜園・果樹園はマンション時代からベランダでほそぼそとやっていましたが、七年前に庭付きの家に移ってから本格的に始めました。いくら茨城・取手市の土地が安いといっても、宅地ですので限度があり、ほとんどは鉢植え、プランターです。このため庭にはジャガイモ、サツマイモ、ゴーヤ、ズッキーニ、トウモロコシ、サツマイモ、スイカ、メロン、カボチャなどのプランターが並び、隙間にはリンゴ五種類、レモン二種類、モモ、ナシ、サクランボ、ミカン、アーモンド、カリン、ユズ、ブルーベリー、パイナップルと二十近い鉢が並び、この夏はちょっとしたジャングル気分。
この趣味の利点は、想像ほどお金が掛からないし、収穫する楽しみがあること。果樹の苗木なら、大きなホームセンターに行けば五百円くらいからあり鉢、土、肥料を合わせても、一鉢千数百円もあれば十分。安い苗木は実がなるまで数年かかる場合もありますが、野菜や木は天候や手間暇のかけ方に大きく左右されるなど、いろいろな意味で正直。成長を見ていると、気が休まります。
初心者にお勧めは、リンゴのアルプス乙女。食用では日本で一番小さなリンゴです。買って一年もすれば実をつけ、手間暇掛からず、病気にも強いし、木も小さいのでベランダで楽しめるのも利点。大きくなったら、てっぺんと枝を詰めればいいだけ。今年は不作で、甘みも少なかったのですが、職場に持ってきたら、評判は上々。
皆さんもいかがですか。