第47回 こつかっぱら

平成16年3月7日コツ通りの由来のこつかっぱら「小塚原」が無くなりました。というのはこの日にコツ通りの回向院境内にあった小塚原交番がJR駅の東側に移り、名称も南千住警察署南千住東口交番になったからです。

「こつかっぱら」の名が付いているものが全て街から消えてしまったのは、淋しくてやりきれない気持ちでいっぱいです。

小塚原鏡円(南千住一番の豪族14世紀)頃から続いている由緒ある地名は時代と共に変わっていきますが、古き良き名称は残して置きたいものです。

コツ通りも「江戸ことば」の特徴の一つである促音化で「こつかはら通り」が「こつかっぱら通り」となり、それが更に短くなって「コツ通り」と変化し人々に親しまれて来ました。(私もその一人ですが)「江戸ことば」といえば、「ひ」・「し」の発音が出来ない人が沢山います。

昭和36年北千住4丁目から南千住5丁目に嫁いで来た妻にある時、店の「日除け」(布で出来ていて巻き上げたり、巻き降ろしたり)を巻き上げておくように言って出かけました。帰って来るとそのままだったので、妻に「日除けを巻き上げてくれなかったの」と言うと「いえ、もうちゃんとやってありますよ」と答えました。彼女は「塩おけ」を棚にあげておりました。

隅田川をはさんで北と南で言葉がだいぶ代わりますね。

いくつか書きますが、

「言いつける」=「いっつける」・「はりたおす」=「はったおす」・「むこうから人が来る」=「もつから人が来る」・「まーすぐ」=「まっつぐ」・「もんじゃ焼」=「ぼった焼」

次の言葉の意味がわかりますか?

「あさっぱら」「むかっぱら」「おちゃっぴい」「こっぴどく」「とんちき」「こっぱ」「ばばっちい」「ばば」「ねこばば」「なまはんか」「おいそれと」「おじゃん」

さあ、いくつ判りましたか?

余談ですが、「あけおめ」「そっおめ」「にゅうおめ」「めりくり」「おつです」などの最近の言葉は、私には判りません。

まいたうん66号(2004年7月20日発行)