第122回 老老介護と金

10月29日都電100周年(荒川線は王子電車と呼ばれ大正2年4月に開通)による記念行事として北区荒川区の各地区の商店街が東京商工会議所から補助金を頂き、都電ウォークラリーに参加された方々に各店の自慢の品々を差し上げたり試食をして頂いたり、またスタンプが揃うと荒川車庫で抽選会が行われ、当選すると都電グッズが貰えるので大変な賑わいでした。

今回はコツ通り商店街も300人余の人が参加され、都電ビール300円(野田屋酒店で販売)と洋菓子スヴニールのドーナツ、朝日堂ベーカリーのアンパン・近藤青果店のバナナを配布致しました。皆様に喜ばれまして次回はもっと智恵を絞ってリピーターになって頂けるようにしたいと考えています。

当日、西光寺(江戸の天明期、ご本尊阿弥陀さまに白団子を笹の枝に刺して供え、病気が治るように祈願すると霊験あらたかに治ってしまうと言われ賑わった)の前の道を通り、コツ通りを横切ってララテラス(旧国鉄用品庫の跡地)へ行く人で賑わう道でコツ通りを直進しようとした自転車とララテラスへ行く人の自転車がぶつかりそうになった為、西光寺側から来た82歳のおばあさんがとっさに右足を着きながら横倒しになり、右足首から上の骨が折れて内側に曲がり、本人は大変痛がっておりました。「医者に行くのは嫌だ」と言うので、よく話を聞くと「連れ合いの主人が、寝たきりで自分が介護しているから自分がいなくなったら困る」と言うのです。

「警察官がよく話を聞いて善処する。とにかく、治療だけはしてもらってくれ」と納得させ救急車を呼びました。

今は、核家族時代と言われ若者5人で高齢者1人を支えて行かねばならない時代に入り、医療・介護・住居・年金・教育など頭の痛くなることが山積みです。

私事ですが、妻が脳梗塞で倒れ寝たきりで4年が過ぎました。現在は高齢者介護施設にお世話になっておりますが、毎月介護保険を使っても19万円掛かり、雑費は別にお金が掛かります。これが現実です。高齢者介護施設はどこも一杯で入れません。

だから、自宅(在宅)介護にならざるを得ないのです。

しかし、高齢者二人世帯では大変な苦労が伴い、自分が先に死んでしまうと思いました。現実には大勢の方々が家庭介護で頑張って面倒をみております。

健康で元気が一番ですが、先のことは判りません。ぜひ、お金だけは貯めて下さい。今の社会の在り方では若い人が結婚して家庭を持ち家族を作っていく事が非常に困難になってきました。生涯独身か、夫婦でも子供を持ち教育をして育てるだけの収入の無い家庭・若夫婦2人で4人の親を世話して行かなければならない現実。子供の教育に大金をかけ一流大学を出て一流企業に就職させ、高収入を得なければ幸せは来ないと考えている人々が多いから、男も女も高収入の相手か、資産家の大金持ちを探しているから結婚ができない。あぁ、頭が痛い。

人間の幸せって何だろう。贅沢な生活が幸せか、お金があっても寝たきりでは・・。

でも、現世はお金が無ければだめですね。     仙成こと杉山六郎

すまいるたうん第196号 平成23年 11月13日