第51回 コツの天王様で鈴虫の鳴き声を聴く会

コツ通り商店街では、三年前から現理事長の栗原さんが飼育していた鈴虫を虫かごに雄2匹と雌二匹に土とエサと木片を入れた1セットを飼育メモと一緒にご来店のお客様に無料で差し上げています。

大変好評で毎年100組用意するのですが、すぐに無くなります。午後6時頃より天王様参集殿前にて配布し、境内に鈴虫を放して音色を紅毛氈の敷かれた縁台で浴衣を着て夕涼みがてら聞き惚れる一時は、本当に至福な気持ちにさせてくれます。神社の木立ちとほのかな照明の中で冷たい飲み物を頂きながら楽しい話に弾みがついて時間が経つのを忘れさせてくれる癒しの場です。是非、皆様も聴きにいらして下さい。

今は鈴虫を何人かの人々が飼育して下さいまして数を増やせるようになって来ました。(雄のみ鳴きます。雌は鳴きません。)成虫は、良い声を聴かせてくれている最中に交尾をし、卵を土中に産み付けて死にます。

その後は、一週間に一度位、土に霧吹きで水を表面が濡れる位に散布して来年の4月位まで待つと無数の幼虫が土中より誕生します。その後は、少しの「花かつお」か「煮干」と「なす」等の野菜を小口に切って与えます。早ければ7月頃より鳴き始め、9月一杯位まで楽しませてくれます。

南千住5丁目の太陽柳通りで耳鼻咽喉科医院を開業されている東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信先生の著書「日本人の右脳左脳」の中で、日本人の繊細な感性は虫の音を聴く等の日常生活から養われてきた物だと研究結果を書かれています。今年の9月26日は中秋の名月で、日暮里の諏訪台の養福寺で虫の声と名月と美味しいお料理を食べる会が開かれましたが、実に風流で心の落ち着きを持った一日でした。是非、忙しい時間を少し離れて虫の声を聴きにいらして下さい。

平成16年9月